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文芸サークル「鉄人四迷」のページ

文芸サークル「鉄人四迷」のページです。 オリジナルの小説・詩・脚本を発表しています。

「カカオ70%」(小石薫)

月明かり照らす                    化粧教えた
拗ねる横顔                       あの四畳間
ひどい苦さ口に含んで                はしゃいだ君を思い出す

毒の味する現実‐リアル‐より            君にはあの頃の現実さえ
君は甘い虚構‐ヴァーチャル‐を           嫌いな毒の味だった?
選んだはずなのに今はどう              今は例えばそうだとしても

部屋の隅に座り込んで                僕は君に寄り添っている
感じない振り                       伝えたいんだ
でも                            そう
朝が来れば                       僕は君が
窓の外から毒が浸み込む               灼けるくらい愛しい

そういうものだから                   そういうものだから

君で居ていい印をあげるよ              君で居ていい印をあげるよ
何よりも君の永遠に                   朝は僕が運んでこよう
君で居ていい印をあげるよ              君で居ていい印をあげるよ
明るくなったら出かけよう               明るくなったら見つけられるから

触れられないものなんて               確かなものだけを
邪魔なだけだね                     抱きしめて

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作者紹介

空疎

あなたはただのゼリーです
見える光は全部嘘
聞える音は全部嘘
あなたはただの
ふるえるゼリー
ひとりふるえる
ただのゼリー

中編小説「ゼリーの見た夢」より


---------------------------

六井 象/I

 失恋した友人が髪の毛を短く切ってきた。
 彼女の髪の毛の中に、爆弾の導火線が一本混じっていたと知ったのは、それからすぐ後のことだった。


短編小説「鋏」より

個人サイト

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小石薫

美代子は必死だ。一生懸命に声を張り上げて、誰かが、聞いて、興味を持って、自分のいる教室のドアを開けてくれることを、ずっと待っている。
 伝えたいことがあると言った。
 私には、あるだろうか。伝えたいもの。伝えたい気持ち。私の中にあるのは、ぬるく、濡れそぼった、この、寂しさだけ。

短編小説「夕焼け校舎」より


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金魚風船


「私の事、好き?」


「え?」


「ごめん、いきなり」


「ごっつ好きやで」


「ほんとに?」


「当たり前やろ、俺のたった一人の娘なんやから」


「そっか」


間。



「やっぱ、別のことしよっか」


「え? なんで? 凄い楽しいのに」


「じゃあ、もっと楽しそうにやれよ。そんな下ばっかり見とったらな、楽しい事も嬉しいことも、いつの間にか全部通り過ぎてしまうぞ」

短編脚本「お父さん」より

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