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文芸サークル「鉄人四迷」のページ

文芸サークル「鉄人四迷」のページです。 オリジナルの小説・詩・脚本を発表しています。

「ビーム」(I)

開店前の寿司屋。
薄暗い店内で板長の「大塚」と、若い板前の「木下」が黙々と仕込みをしている。
木下、ふいに作業の手を止め、天井を仰ぎ、

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「バタフライ」(I)

夏の日。昼下がり。狭い部屋。
「カズオ」がうちわで顔を扇ぎながら、仰向けで寝ている。
窓には風鈴。
床には扇風機、携帯電話、アイスの空容器、雑誌なんかがごちゃごちゃ置かれている。


母親の声
(部屋の外から)「カズオー。……カズオ! カズオ!」

カズオ
「うるっせぇなクソババア! なんだよ!」

母親の声
「アンタ、部活行かないの?」

カズオ
「行かねぇよ! 腹痛ぇんだよ!」

母親の声
「アンタ、部活行かないんだったら、ちょっと私、アレ! 買い物行ってくるから! だからアンタ、アレ! アレ! よろしく!」

カズオ
「わっかんねぇよクソババア! なんだよ!?」

母親の声
「あの、ポンタの餌! あと、雨降るかもしんないから今日! 洗濯もん!」

カズオ
「あぁ!?」

母親の声
「お願いね!」

カズオ
「あぁー!?」

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「あほの丸山君」(金魚風船)

●「これから」


ある場所の喫茶店。丸山君と女が会話している。



「久しぶりのデートがこの雨じゃあね。せっかくペアで映画のチケット当たったのに」

丸山
「うん」

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「取り引き」(I)

「ボス、サムから連絡です」
「私だ」
「ボス、指定された動物園に到着しました」

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「まさるくんのさんたさん」(I)

たかしくんは、まさるくんに、いいました。
「さんたさんは、おとうさんなんだよ。」

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「意想外」(I)

 私の恋人は胸にタトゥーを入れている。

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「残されたパレット」(I)

 絵描きの友人が死んだ。

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「こわい」(I)

ある日の昼下がり。

暖かい日が射す広い和室で、初老の「落語家」がうつらうつらしている。

遠くから、大量のタコを雑に引きずるような音が聞こえてくる。
部屋の襖がすらりと開く。
若い「宇宙人」が現れる。
中性的な顔で、あちこちからやたらトロピカルな色づかいの触手が飛び出ている。
お盆に湯呑みを乗せている。


宇宙人
「師匠。お茶が入りました」

落語家
「ん? ……ああ、ありがとう」


落語家、湯呑みを受け取る。


落語家
「あちち」

宇宙人
「熱かったですか? すみません!」


宇宙人、落語家の湯呑み目がけて、触手から暗い色の汁を噴き出す。
落語家、びしょびしょ。


落語家
「ありがとう」

宇宙人
「いえ」

落語家
「じゃあ、新しいの持ってきて」

宇宙人
「はい」

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「ずれ」(I)

サイトウ家の居間。
テーブルを挟んで、4人の男女が座っている。
この家の一人娘・ユミの隣に座るのは、ユミの恋人であるタナカ。真面目そうな見た目だがどこか落ち着きのない青年。
向かいに座っているのは、サイトウ家の父と母。

少し緊張した様子のタナカ。
タナカの手をテーブルの下で握り、つとめて笑顔を作っているユミ。
ニコニコしながらお茶を飲みつつ、タナカを値踏みするような目で見ている母。
真っ赤なビキニでグラビアポーズを取っている父。(ポーズは随時変化する)

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「善良な男」(金魚風船)

ある街の界隈。一人の男が地図を持ちながら右往左往している。


男1 
「くそぉーどっちだよ。(時計を見て)もう、あんまり時間も無いのに……」


別の男(出来れば年配の少しダンディな服装が好ましい)が通りかかる。


男1
「あ! ……あ、あのすみません」

男2
「はい?」

男1 
「少し道を聞いてもよろしいでしょうか? ちょっと迷っちゃって……」

男2 
「……」

男1 
「あ、無理なら全然構わないんですけど……」

男2 
「大丈夫ですよ」

男1 
「ほんとですか……!?」

男2 
「ええ」

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当サイトについて

文芸サークル「鉄人四迷」の作品を公開しています。
小説・詩・脚本を中心に、月ごとのテーマ読み物など随時更新中。
それぞれ違うタイプの作家たちによる、バラエティ豊かな作品をお楽しみください。(作者紹介はこちら。
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作者紹介

空疎

あなたはただのゼリーです
見える光は全部嘘
聞える音は全部嘘
あなたはただの
ふるえるゼリー
ひとりふるえる
ただのゼリー

中編小説「ゼリーの見た夢」より


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六井 象/I

 失恋した友人が髪の毛を短く切ってきた。
 彼女の髪の毛の中に、爆弾の導火線が一本混じっていたと知ったのは、それからすぐ後のことだった。


短編小説「鋏」より

個人サイト

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小石薫

美代子は必死だ。一生懸命に声を張り上げて、誰かが、聞いて、興味を持って、自分のいる教室のドアを開けてくれることを、ずっと待っている。
 伝えたいことがあると言った。
 私には、あるだろうか。伝えたいもの。伝えたい気持ち。私の中にあるのは、ぬるく、濡れそぼった、この、寂しさだけ。

短編小説「夕焼け校舎」より


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金魚風船


「私の事、好き?」


「え?」


「ごめん、いきなり」


「ごっつ好きやで」


「ほんとに?」


「当たり前やろ、俺のたった一人の娘なんやから」


「そっか」


間。



「やっぱ、別のことしよっか」


「え? なんで? 凄い楽しいのに」


「じゃあ、もっと楽しそうにやれよ。そんな下ばっかり見とったらな、楽しい事も嬉しいことも、いつの間にか全部通り過ぎてしまうぞ」

短編脚本「お父さん」より

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