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文芸サークル「鉄人四迷」のページ

文芸サークル「鉄人四迷」のページです。 オリジナルの小説・詩・脚本を発表しています。

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「夜話(報告)」(I)


「今朝、洗面所の蛇口をひねったら、水じゃなくて、かわいらしい女の子の指人形をはめた、毛だらけの太い指がにゅっと出てきて、『あれれ? ここはどこ?』とでも言いたげな、おどけた動きをし始めたんです。
「もちろん驚きはしましたけど、そのときは遅刻しそうでとにかく急いでいたので、驚き以上に何だかものすごく腹立たしくなり、反射的に指を掴んで、真っ二つに折ってしまったんですね。
「で、まあ、それから何だかんだあって、結局会社は遅刻してしまったんですけど、
「この“何だかんだ”の部分については、あの指のことと関係があるのかどうかが今のところ、ちょっとわからないので、ここでは話さないことにします」

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「ある海の上で」(空疎)

テーマ:海に降る雪


誰もいない
船もない
全く凪いだ海の上に
雪が降っている
雪が降っている
雪は降っては海に溶ける
瞬間微かな音がする
しゅるり
しゅるり
しゅるり
それはほんの微かな音だったけれど
雪は無限に降り続けて
微かな音は重なり合って
やがてひとつのメロディになる
しゅるり
しゅるり
しゅるりらら
全く凪いだ海の上に
響く雪のメロディ
そこへ降り立つ
ひとつの影
それは雪の紳士
素敵に着飾った雪の紳士
雪の紳士は水面に降り立つと
軽く一礼して
ダンスを始める
メロディにあわせて
ステップステップ
ダンスダンス
そこへ降り立つ
もうひとつの影
それは雪の淑女
素敵に着飾った雪の淑女
雪の紳士と淑女は
互いに手と手をとりあって
ふたり華麗なダンスを踊る
りらら
るらら
しゅるりらら
雪のメロディが流れて
全く凪いだ海の上に
雪は無限に降り続け
降った雪が波紋を起こして
波紋と波紋が重なって
波が起きる
さざめく水面
水面に踊る雪の紳士と淑女
全く凪いでいた海の上では
波打つダンスパーティー
ふたりは踊る
今ここが世界の中心
雪の紳士と淑女は
雪のメロディに包まれて
雪の起こす波の上で
ダンスダンスダンス
雪のダンス
誰もいない
船もない
見る者のない
海の上に
華麗なステップ
ふたりはダンス
踊り続ける
いつか雪のやむ
そのときまで

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「無題」(I)

テーマ:海に降る雪


(誰もいない夕暮れのビーチ。砂浜に波が寄せては返す。入道雲、蝉の声。水平線の向こうへ夕陽が沈んでいく。砂浜は足跡でぐちゃぐちゃ。そこら中に衣服や、パラソル、ビーチチェア、浮き輪やカクテルグラス、カキ氷の容器、バーベキューの道具などが乱雑に放られている。)
(遠くで扉の開く音。砂浜を歩いてくる足音が近づいてくる。)

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「蛇の囁き」(空疎)

こしょこしょこしょ

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「歌を歌いながら」(空疎)

テーマ:瓶の中の太陽



 この世界から、太陽が消えて久しい。昨日、とうとう最後の友達が死んだ。真っ暗闇の中で。

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「ひとり火を抱いて」(小石薫)

テーマ:瓶の中の太陽



1  これは明け方に見た夢の話。

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「檸檬」(I)


 夕方、コンビニに行った帰り道、ふといつもと違う道を歩きたくなり、ビルとビルの間の狭い路地に入ってみると、案の定慣れない道に迷ってしまった。

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「本の杜4」に参加します。

文芸作品即売会「本の杜4」に参加します。
(詳しくはこちらをご参照ください。)
配置等、詳細は後日改めてお知らせします。

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「万寿坂」(小石薫)

私が生まれたこの街に
万寿坂という坂がある
丘の上と麓を繋ぐ
めでたい名前の坂がある

母は坂を降ると言う
麓のスーパーに買い物へ行く時に
必ず通る万寿坂
母は買い物へ行く時には
坂を降るといつも言う

私が育ったこの街に
万寿坂という坂がある
丘の上と麓を繋ぐ
避けて通れぬ坂がある

仲間は坂を登ると言う
丘の上の学校に毎朝通う時に
必ず通る万寿坂
私らの登校は文字通り
坂を登るとみんな言う

私が捨てたあの街に
万寿坂という坂がある
丘の上と麓を繋ぐ
恋しい名前の坂がある

彼はいつか見たいと言う
私がふるさとの思い出を話す時に
必ず通る万寿坂
私らがいつも歩いた坂を
いつか見たいと彼は言う

私が夢見るあの街に
万寿坂という坂がある

万寿坂という坂がある

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「ビーム」(I)

開店前の寿司屋。
薄暗い店内で板長の「大塚」と、若い板前の「木下」が黙々と仕込みをしている。
木下、ふいに作業の手を止め、天井を仰ぎ、

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当サイトについて

文芸サークル「鉄人四迷」の作品を公開しています。
小説・詩・脚本を中心に、月ごとのテーマ読み物など随時更新中。
それぞれ違うタイプの作家たちによる、バラエティ豊かな作品をお楽しみください。(作者紹介はこちら。
ご意見・ご感想お待ちしております! コメント欄もしくはメールフォームよりお送りください。

なお、当サイトで公開している各作品の著作権はすべて作者に帰属します。
掲載された文章の無断転用を禁じます。

作者紹介

空疎

あなたはただのゼリーです
見える光は全部嘘
聞える音は全部嘘
あなたはただの
ふるえるゼリー
ひとりふるえる
ただのゼリー

中編小説「ゼリーの見た夢」より


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姉妹は仲の悪いまま年老いて
 町は背を伸ばし肥え太る
幾度かの通夜と性交を経て
 雪は降らなくなった
生まれた家は駅に食われたが
 風は相変わらず強く吹いている
姉妹は仲の悪いまま年老いたが
 市長に品が無い
 という意見だけは一致している


「姉妹は」より

個人サイト

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小石薫

美代子は必死だ。一生懸命に声を張り上げて、誰かが、聞いて、興味を持って、自分のいる教室のドアを開けてくれることを、ずっと待っている。
 伝えたいことがあると言った。
 私には、あるだろうか。伝えたいもの。伝えたい気持ち。私の中にあるのは、ぬるく、濡れそぼった、この、寂しさだけ。

短編小説「夕焼け校舎」より


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金魚風船


「私の事、好き?」


「え?」


「ごめん、いきなり」


「ごっつ好きやで」


「ほんとに?」


「当たり前やろ、俺のたった一人の娘なんやから」


「そっか」


間。



「やっぱ、別のことしよっか」


「え? なんで? 凄い楽しいのに」


「じゃあ、もっと楽しそうにやれよ。そんな下ばっかり見とったらな、楽しい事も嬉しいことも、いつの間にか全部通り過ぎてしまうぞ」

短編脚本「お父さん」より

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